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2018.02.07 Wed
ヴェル―ヴェン三部作

『悲しみのイレーヌ』『その女、アレックス』『傷だらけのカミーユ』
名前は知ってたんですけどなかなか読む機会なくて。
ちょうど図書館探索してた時に目に入ったので読みました。
順番知らなくて日本で翻訳された順に読んだらまー失敗したね!
ちゅーか悲しみのイレーヌって。タイトルでモロネタバレ。
しかし私はアレックスから読んでいるのでタイトルが別の名前であっても結末はどのみちわかっていた……なんで順番に出なかったんでしょうね、でも悲しみの~……の後味の悪さは群を抜いているのでこれ最初に読んでたら残り二冊読んでたかな?とも思います。

それでミステリーとしての面白さはアレックス>イレーヌ>カミーユだと思うんですけど
色々考えこんじゃうのはやっぱりカミーユだなあ。
盛り上がりには欠けてしまったけどマレヴァル好きなんで。
あとアルマンも好きだったのにのっけから死んでたし。
間隔空けずに読んじゃったので『傷だらけのカミーユ』は強盗犯、作中一人称で語られる『おれ』の正体がすぐにピンと来てしまったのですよ。そもそも『悲しみのイレーヌ』の時もあからさま犯人怪しかったし、ルメートル作品は(ところでルメートルっていうと陸上選手のほうを思い浮かべちゃうんだけど)犯人当てを楽しむ作品じゃないのかもしれません。
アレックスとかモロですけど事件そのものがどんどん様変わりしていく経過を驚いていくっていうか。
それでもやっぱりなあ……もうちょっと分かり難くして欲しかった感は否めない。

(以下ネタバレ)
だってだってアレックスの人物紹介にマレヴァルは当然ないし、
作中で触れられるのは確か一、二回、それもイレーヌ事件でのマレヴァルのした事を具体的に書かずに金銭面で何かあったかのようにミスリードさせてるんですよね。
それが「傷だらけのカミーユ」になった途端に勿論人物紹介の欄に名前はあるし、今度は誤魔化さずに「犯人とは知らず情報を流していた」ってはっきり書かれているしおまけにルイとマレヴァルとアルマンがいた全盛期の回想シーンまでいれてくるし。
もうマレヴァル以外の誰も思い浮かばないじゃないか!

前二作と違ってミステリーとしての盛り上がりには欠けますけど心情の変化が読み取れてそこは面白かったです。
『悲しみのイレーヌ』の時に
「甘いな、おまえのマレヴァルは」とル・グエンに言われて
おれの、じゃない!」と激怒していたカミーユが『傷だらけのカミーユ』ではアフネルに
「おれのマレヴァルは……」って言ってるんですよね。
本人が言うように自尊心まで傷つけられ本気で腹を立てているのだろうけどその一方でイレーヌの事件で変わったのはマレヴァルも同じ、とも理解してる。
マレヴァルもマレヴァルでカミーユを同じ目に遭わせたいという気持ちもあったし、
もう『悲しみのイレーヌ』の時とはまったく違うマレヴァルなんだけど

それでもやっぱりわかってはいたことだが、おれはこいつがずっと好きだったんですよねー

カミーユがルイとマレヴァルに対して保護者のような気分だった事が書かれてますが
マレヴァルもすげーファザコンっぽいな。
結局自分の仕出かした過ちが受け入れられなくて父ちゃん(カミーユ)にも見放され、
グレて行くとこまで行っちゃった息子って感じ。
ビュイッソン作のマレヴァルも「反抗期の少年」って書かれていたし、まあそういう人なんでしょうね。
それで出来の良いお兄ちゃん(ルイ)との再会シーンはとても好きです。

ルイだった。懐かしいルイが真っ先に入ってきた。
相変わらず完璧な身だしなみ。いったいいつまでミサの侍者やってんだ?
「久しぶりだな、ルイ」
おれは平気なふりをしたかった。堂々と芝居を続けたかった。
だがこんなふうにルイが登場したりしたら……。
すべての過去が、おれが台無しにしたすべてのものがよみがえり、おれの心を引き裂いた。
「やあ、ジャン=クロード」そう言ってルイが近づいてきた。


『悲しみのイレーヌ』を読んだ翌日に一気に『傷だらけのカミーユ』を読んだのでここがもう本当切ない。
金銭トラブルは勿論あるんだけどそれでも仲良さそうにやってんですよ。
一作目のマレヴァルが(殆どがビュイッソン作だけど)好きだったのでここは本当切なかったです。

以下不満と疑問。

・不満
ビュイッソンの小物感!!!!
一作目、あんな凄惨な事件起こしてあんな後味悪い手紙で〆てんだからもっとオラついとけよ。

・疑問1
アンヌをモンフォールの母のアトリエに連れて行き、
その事を強盗犯(マレヴァル)が知っていた事でカミーユは強盗犯が自分に近しい人間だっていう疑いを持ち始めるんですけど。
ここちょっと「ん?」ってなって。
取調室にいたとは言えマレヴァルはその後の流れからイレーヌがアトリエで殺された事を当然知ってますよね。
それでアレックス事件の時にはカミーユはまだアトリエに足を踏み入れる事が出来なくて、
作中で絵を売却した事でアトリエに行く勇気が出てそして泣き崩れる描写もあって。
その後にアトリエを改築・改修して、そこで漸く様変わりしたアトリエに足繁く通うようになる。
でもその時にはもうマレヴァルとは繋がってないし、
今回のこの強盗犯からの逃亡で「初めて女性を連れ込んだ」ってカミーユも言ってる。
なのでマレヴァルがイレーヌが殺された場所に連れて行くだろう、とは思わないんじゃないのかな?ってちょっと思いました。
けどまあきっとアンヌが「カミーユ、アトリエ改築したってよ」「あそこでしょっちゅうデッサンしてるってよ」ってマレヴァルに事件前から報告してたのかもしれないですね。でもそれをカミーユはこの時点では知らないのでやっぱりル・グエンやルイを疑うならまだしも(そうミスリードはさせたいのだと思う)もう接点のないマレヴァルを疑うのはなかなか強引だなあとやっぱり思います。

・疑問2
これ他のブログでも同じ事を指摘している人がいてちょっと感動したんですけど
第二作目の「その女、アレックス」でアレックスが私物を捨てに行くシーン。
偶然捨てに行く場面を目撃されていたからアルマンが止めましたけど、目撃されていなかったら日記も見つかっていないわけで。日記=過去の性的虐待が明るみに出なかったら連続殺人犯の自殺をそんなに入念に調べようとしたのかなっていう。
敢えて見つかるように行動してた説を考えてその箇所を読み返しましたけどむしろ逆で、見つからないように行動してますね。
頭を打ち付けられた後で他殺説を疑ってくれるんじゃないか、という賭けに出たのかな。
ここの私物を捨てに行くシーンがどうしてもわからなくて、兄に疑いを掛けたいのなら捨てないほうが動機がわかるじゃんか、とか思ってたんですけど。
目撃されていなくとも見つけてくれるだろうと踏んでその上で「兄が自分の犯行だと隠す為にアレックスの私物を捨てた」的偽装工作をしたという説も考えてみたけどなんかやっぱりしっくりこないんだよなあ。
アレックスの中では『打撲痕、指紋、髪の毛』で他殺を疑ってくれる、と踏んだのかな?
なので過去の私物を捨てる場面はアレックスの人生への決別的な意味合いで見つかっても見つからなくても良い位置付けだったのかもしれないですね。
次に読むのは特捜部Qの新刊はセバスチャンの「少女」か。

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